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あの山へ……

 山……と云えば虫や蛇や害獣がたんまりといるので,実際に一歩たりとも足を踏み入れたくは無いのだが,しかし,行ってみたい山がある.果たして,どんな山かと云うと,よくある奇談怪談の類で入ったら出てこれないと噂される山だとか,あるいはそういう噂のあるトンネルのある山である.つまり,そんな山は現実には存在していない……たぶん.

 しかし,絶対に存在しないかと云うと,日本に一つや二つはあるかもしれない.これだけ,現代・昔話問わず奇談が語り継がれるこの国に,一つ二つと云わずいくつかはそんな山があっても良いかもしれない.実際,かつては人によって踏破されていても,今となっては住人も離れ,再度,未踏の地となってしまったなんて場所,世にごまんと存在していることだろう.

 かつて,奇談に関するフィールドワークが仕事になると分かり,そういう調査を生業にしている……という状況を夢枕に見たことがある.思えば,それだけでは到底金になるはずがないのだが.たぶんあれはそう……忌録の解析のしすぎで頭がおかしくなっていたのだろう.

憂鬱な月曜

 折からのプロジェクト作業の遅延により,祝日であるものの出勤である.と云っても,プロジェクトそのものが遅延しているわけではない.翌日の打ち合わせの準備が遅延しているのだ.まあ,出勤すること自体はそれほど憂鬱ではなかった.
 恨めしいのはむしろ,こう云った日にばかり早く起きられてしまう自分の体の方かもしれない.思えば,ここ数週間,いや数カ月かもしれないが,休日の午前中に起きていた試しがない.仮に起きられたとしても,10時も過ぎれば居間に無残な肢体が転がっている.一体全体,どうしてしまったかというのか.
 そういえば,夜更しが常態化している.いつの頃からか自分は明けない夜を待ち続けているような気がしてならない.

日記

 「91Days」を見る.禁酒法時代のマフィアものの復讐劇である.

 実は,当初このアニメの主客層が全く分からなかった(よって地上波も追っていなかった).

 アニメはDVD 化してかつそれが売れることによって利益が発生するというイメージがあり,そのせいか安定したバックボーンのあるIP を活用して儲けが出るように作られていることが多いように思える.
 持ち出されるIP の方向性は,キャラクターに人気があるもの,既に売れているゲーム・漫画・ライトノベル,最近では,クリエイター支援サイトで人気が出たものを自社IP として引っ張り上げるために使われる手段だったりもする.
 本作は,そこに真っ向から逆らうオリジナル原作かつ,キャラクターも大方が地味な青年~中年男性層で,全体に辛気臭い雰囲気が漂う.

 しかし見てみると,これがシナリオの展開がテンポよく非常に面白い.

 単純な復讐劇ではなく(5 話まで見た感想であるが),随所に謎が散りばめられており,適度にそれが展開されていく.適度にというのが重要であり,それ程大きな伏線でないものについてはささっと種明かしがされるので安心できる.
 キャラクターについても,一部にそういった方面の市場があるのは間違いないので,実は人気があるのかもしれない.

突然の電話

 家内とターミナル駅のある繁華街へ出かけていた際に,ふと,メールが来ていることに気付いた.「ヘルプ」と一言.気が付くと,電話の着信もある.会社の先輩からだった.それも随分と世話になった先輩であり,このまま無下に休日だからと返信をしないのも後味が悪い.
 ちょうど書店に来ており,幸いにして,家内はあるコーナーの書架とにらめっこをしているところだった.僕は電話を折り返すことにした.

「ちょっと困ったことがあるんだ」

 先輩はそう言うと,発生している現象を僕に告げた.内容は,ちょっとしたシステムの設定トラブルで,ガイドにある通りにしても巧く行かないから,ノウハウがあったら欲しいとのことだった.ちょうど「それ系」の設定を少し前にしたことがあったので,想定されるであろう設定を伝えた.

「試してみるわ」

 少したった後に,巧く行ったとの連絡があった.
 僕はほっとすると,そのまま探していた本の探索に戻った.

日記

 最上もが,脱退.でんぱ組.inc 自体には思い入れは無いが,脱退したくだりを見てなんとなしに境遇って言葉を思い浮かべてしまう.

 アイドルと云えば,綾辻先生が欅坂46 のCD を買ったがためにちょっとした騒ぎになっていた.
 どうやら前段に,歌詞に関する議論があったようで.この方面は本当に判らん…….

 「ほんとにあった!呪いのビデオ」60 付近をニコニコで鑑賞.「コワすぎ!」より作ってない感がある.よく言えば落ち着いていて真面目.悪く言えば地味.幼いころに見させられてトラウマになるのは,間違いなくこっちのほう.
 蛭子の話の続きが見たいが,リリースタイムライン上でも続きは未だのようで…….かなり真面目に作られているので,後が気になる.

 Realforce 91UBK-S 購入.2 台目である.会社で使っていてあまりにも筆滑りが良く,音も静かだったので家用にもう1 台となってしまった.果たして効能は…….
 ヤフオクで購入させていただいたが,かなりの備品・かつ完品だったので,出品者には感謝.

 案件,どうやら謝りに行かないと行けなさそうな状況であるが,もはや自分が何の職であったのか忘れそうである.どうせ死ぬなら,エンジニアとして死にたいものである.

管理者不在のクラウドサービス

 経営層と近い思想の管理職層から,現行のサービス内容をクラウドに持って行き,キャッシュフローを確立すれば,最終的に何もしなくても金が入ってきてみんなハッピーになれる……かのような言説が飛び出したことがある.

 「みんな」の定義が不明であるが,会社組織に属している以上,何もしなくても金が入って来るのはあくまで所属組織にであって,人に対してではない.そんなものは現場を扇動するための妄言でしかなく,そして大方の現場は既にそれが妄言ですらないことを知っている.
 自部門が増収することにより,翌期以降の業績ノルマは下駄を履かされたものになるのは目に見えている.下手をすると既存事業と前述の新事業の拡大を見込まれ,新事業立ち上げで疲弊している現場が更に鞭打たれることになる.更には,それを成した業績について現場は全く評価されず,声の大きな管理者層ばかりが評価されるという割に合わない結末を迎える可能性すらある.

 彼らは管理職層は,立ち上げたサービスの後始末などは考えておらず,立てた皮算用がうまくいっているかどうかのみに腐心する。かくして、管理者(Manager) 不在のクラウドサービスの出来上がりである。
 かくして,管理者(administrator) はそこには既に居ないであろう管理者(Mangaer) に振り回されることになるのだ.