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管理者不在のクラウドサービス

 経営層と近い思想の管理職層から,現行のサービス内容をクラウドに持って行き,キャッシュフローを確立すれば,最終的に何もしなくても金が入ってきてみんなハッピーになれる……かのような言説が飛び出したことがある.

 「みんな」の定義が不明であるが,会社組織に属している以上,何もしなくても金が入って来るのはあくまで所属組織にであって,人に対してではない.そんなものは現場を扇動するための妄言でしかなく,そして大方の現場は既にそれが妄言ですらないことを知っている.
 自部門が増収することにより,翌期以降の業績ノルマは下駄を履かされたものになるのは目に見えている.下手をすると既存事業と前述の新事業の拡大を見込まれ,新事業立ち上げで疲弊している現場が更に鞭打たれることになる.更には,それを成した業績について現場は全く評価されず,声の大きな管理者層ばかりが評価されるという割に合わない結末を迎える可能性すらある.

 彼らは管理職層は,立ち上げたサービスの後始末などは考えておらず,立てた皮算用がうまくいっているかどうかのみに腐心する。かくして、管理者(Manager) 不在のクラウドサービスの出来上がりである。
 かくして,管理者(administrator) はそこには既に居ないであろう管理者(Mangaer) に振り回されることになるのだ.